アジア歴史関係の所蔵資料
アジア歴史資料センターによる
「日本所在の主要アジア歴史資料」(第2次調査)より抜粋
(整理作業により追記・修正あり)
【島田文書】は、島田俊彦旧蔵の日本海軍軍令部第六課(中国情報担当)の関係資料125点で、主に1932(昭和7)年~1940(昭和15)年、上海事変~日中戦争にかけての中国関係文書の綴りである。これらは島田氏が共同編者を務めた『現代史資料』の「満洲事変」、「続・満洲事変」、「日中戦争」(1~5)にもかなりの部分が収録されている。目録に東京大学社会科学研究所資料・雑誌掛編『東京大学社会科学研究所所蔵島田文書目録―海軍軍令部関係資料―』(東京大学社会科学研究所図書委員会、1978年)、内容を紹介したものに有賀弘・坂野潤治「資料紹介 故島田俊彦氏旧蔵文書について」(『社会科学研究』29-1、1977年)がある。「島田文書」には以上のほか、島田氏が研究のために集めた図書類74タイトルも含まれている。マイクロフィルムがある。(Shimada:* 文庫区分=島田文書)
【支那関係資料】(106冊)は、中国・「満洲」に関する調査資料である。「満洲国」、河北省、北京、上海、無錫、寧波、杭州、営口、奉天等に関する商業や鉱業等の調査が含まれている。タイトル一覧のカードがある。(V:0500:6:*)。
【巽氏旧蔵資料】は、逓信省の技師だった巽良知氏が戦前戦後に亘り収集した、主に逓信省、大東亜省、外務省関係の資料綴りである(116冊)。カード目録がある。戦前期東南アジアの電気事業関係資料や貿易関係資料、中国・「満洲」・台湾の鉱業関係資料や運輸関係資料等が含まれる。詳細は、巽氏旧蔵資料及び巽氏旧蔵資料 未入力リスト参照。(V:0600:22:*)
【阪谷文書】」は、元蔵相・男爵の阪谷芳郎旧蔵の資料および図書200点である。目録に東京大学社会科学研究所資料室編『東京大学社会科学研究所所蔵 阪谷文書総目録 昭和45年1月刊』(謄写印刷)がある。資料は、第1篇で「戦時体制および戦時財政調査(主として日清日露戦争を中心に)」、「第1次大戦関係調査報告」、「中国関係調査報告」、「大蔵省預金部資金関係資料」、「日本経済調査会会計記録」、「カーネギー平和財団依嘱調査に関する交換書翰」に分類されている。中国関係調査報告には、満蒙および中国に関する和文・英文資料が含まれる。「カーネギー平和財団依嘱調査に関する交換書翰」には、満蒙調査その他に関する書翰が含まれている。図書は第2篇に図書目録が収録され、書庫に混配されている。 (阪谷文庫:* 文庫区分=阪谷文庫)。
【安倍文書】は、安倍能成が戦後貴族院議員、文部大臣を務めた時代の資料30点である。『安倍文書索引』(仮目録)がある。帝国議会関係、閣議関係、枢密院関係、憲法改正関係、法案関係、教育関係等の資料がある。敗戦後の引揚問題、国内の朝鮮人・中国人・台湾人の地位に関する資料が含まれている。(安倍文書:*)
【極東国際軍事裁判記録】は、極東国際軍事裁判で弁護士を務めた金瀬薫二氏、三文字正平氏の旧蔵資料を核とし、法務省、朝日新聞、早稲田大学図書館からの寄贈により補われた同裁判に関する資料群である。全体は、「目録および索引類」、「公判速記録」、「検察側証拠書類」、「弁護側証拠書類」、「公判関係資料」、「弁護関係資料」の6部門に大別されている。目録に、東京大学社会科学研究所編・発行『東京大学社会科学研究所所蔵極東国際軍事裁判記録「検察側証拠書類」目録』(1971年)、『同「弁護側証拠書類」目録』(1972年)、『同「総記編」目録』(1973年)がある。一部マイクロフィルムがある。(Kyoku:*)
【農政資料】は、主に戦前の農林省農務局の資料で、20巻・補巻10巻からなる。カード目録がある。朝鮮、台湾、中国、「満洲」、東南アジア等についての農業関係資料が含まれている。(SB:0579:*)
【細川文庫】は、元参議院議員故細川嘉六氏旧蔵の図書で、和書と洋書合わせて約2500点からなる。東京大学社会科学研究所図書室編『細川文庫図書目録』がある。戦前のアジア関係図書が含まれている。(Hosokawa:*)
【十河信二氏寄贈書】は、元国鉄総裁十河信二氏から寄贈された図書・資料1402点、雑誌414点である。旧満鉄を中心とした、「満洲」、中国、朝鮮、台湾、関東州、樺太等に関する資料である。『十河信二氏寄贈書仮目録』(1990年、1968年作成の目録を作成し直したもの)がある。資料は書庫に混配されている。(文庫区分=十河信二氏寄贈書)
【朝鮮労働党関係雑誌・資料】は、朝鮮戦争当時、米軍が北朝鮮から接収した資料のコピーである(256点)。カード目録と、それをコピー製本した仮目録がある。1945~1953年にかけての北朝鮮の法令、予算、プロパガンダ等に関する資料、最高人民会議会議録、人民会議会議録、労働党大会会議録、機関誌などが含まれている。(V:0600:19:*)
【加藤寛治関係文書】は、海軍軍令部長を務めた海軍大将加藤寛治の関係文書である。伊藤隆「加藤寛治関係文書―昭和八・九年を中心に―」(『東京都立大学法学会雑誌』10-2、1970年)、同他編『続・現代史資料5 海軍 加藤寛治日記』(みすず書房、1994年)がある。(原資料1:1-109,111)
【上原勇作関係文書】は、陸軍大臣を務めた元帥・陸軍大将の上原勇作の関係文書(複製資料、原資料は首都大学東京図書情報センター所蔵)である。上原勇作関係文書研究会編『上原勇作関係文書』(東京大学出版会、1976年)がある。(原資料1:105~108)
【松本蔵次関係文書】は、宮崎滔天らとともに中国革命を支援した民間人松本蔵次の関係文書である(マイクロフィルムおよび複製資料)。日中戦争下の日中和平工作に関する電報や書簡を含む。伊藤隆・鳥海靖「日中和平工作に関する一史料―松本蔵次文書から―(一)」(『東京大学教養学部人文科学科紀要66 歴史学研究報告16 歴史と文化12』、1978年)、「同(二)」(『同70 同17 同13』、1980年)がある。(MF67:7-1~7-2)
【岩村通俊関係文書】は、北海道庁長官や農商務大臣を務めた岩村通俊の関係文書である(マイクロフィルムおよび複製資料)。書類の一部と書簡の全部が伊藤隆・坂野潤治「岩村通俊関係文書(一)~(三)」(『史学雑誌』78-11、78-12、79-1、1969~1970年)で翻刻されている。(MF67:3-1~3-4)
【江木千之関係文書】は、知事や文相を務めた江木千之の関係文書である(マイクロフィルムおよび複製資料)。書簡と日誌からなる。伊藤隆「『江木千之・江木翼関係文書』『小泉策太郎関係文書』」(『社会科学研究』26-2、1975年)に目録と一部書簡が紹介されている。(MF67:1-1~1-4)
【江木翼関係文書】は、江木千之の養子で、内閣書記官長、法相、鉄相を務めた江木翼の関係文書である(マイクロフィルムおよび複製資料)。書簡、草稿・メモ類、日記からなる。前掲「『江木千之・江木翼関係文書』『小泉策太郎関係文書』」に目録と一部資料が紹介されている。伊藤隆編・入江貫一著『大正初期山県有朋談話筆記 政変思出草』(近代日本史料選書2、山川出版社、1981年)にも江木翼関係文書の一部が紹介されている。(MF67:10)
【小泉策太郎関係文書】は、政友会の衆議院議員だった小泉策太郎の関係文書である(マイクロフィルム)。著書・草稿、日記・手帳、草稿、書簡・書簡草稿・電報からなる。前掲「『江木千之・江木翼関係文書』『小泉策太郎関係文書』」に概略と一部資料が紹介されている。同図書室に目録がある。(MF67:4-1~4-4)
【坪田仁兵衛・杉田定一家文書】は、自由民権運動家で、のちに衆議院議長を務めた杉田定一の関係文書である(複製資料)。杉田定一家文書の原資料は大阪経済大学図書館に寄託されており、社会科学研究所で所蔵するのは「明治20年代の福井県における選挙を中心とした地方政治の状況」関係の部分のみである。坂野潤治・伊藤隆「杉田定一・坪田仁兵衛関係文書にみる明治二十年代の選挙と地方政治」(『社会科学研究』17-1、1965年)がある。(原資料1:61~72)
【渡辺国武関係文書】は、明治期に蔵相や逓相を務めた渡辺国武の関係文書である(複製資料)。書簡458通と書類7点からなる。目録と一部資料が、渡辺国武関係文書研究会「渡辺国武関係文書(一)(二)」(『社会科学研究』18-4・5、1967年)に紹介されている。(原資料1:86~104)
【安達謙蔵関係文書】は、明治から昭和戦時期にかけての政党政治家で、逓相や内相を務めた安達謙蔵の関係文書である(複製資料、原資料は国立国会図書館憲政資料室所蔵)。書簡。同図書室に目録がある。(原資料1:1~12)
【天岡直嘉関係文書】は、桂太郎首相の女婿で、昭和初期に賞勲局総裁を務めた天岡直嘉の関係文書である(マイクロフィルムおよび複製資料)。書簡、書類、日記からなる。同図書室に目録がある。(MF67:1-1~1-4)
【川崎卓吉関係文書】は、内務省勤務を経て昭和戦前期に文相、商工相を務めた川崎卓吉の関係文書である(複製資料)。同図書室に目録がある。(原資料1:57~60)
【入江貫一関係文書】は、山県有朋枢密院議長の秘書官、平田東助内大臣の秘書官長等を務めた入江貫一の関係文書である(マイクロフィルムおよび複製資料)。山県有朋関係書類、書翰、日誌などからなる。同図書室に目録がある。伊藤隆編・入江貫一著『大正初期山県有朋談話筆記 政変思出草』(近代日本史料選書2、山川出版社、1981年)に、「政変思出草」、入江の日記や山県有朋関係書類の一部が収録されている。(MF66:2-1~2-6)
【上野季三郎外交関係文書】は、香港領事、サンフランシスコ領事、シドニー総領事等を務めた上野季三郎の関係文書である(マイクロフィルム)。書類。「馬尼刺反将Aguinaldoノ態度ニ関スル私見」などが含まれている。同図書室に目録がある。(MF68:4)
【大石正巳関係文書】は、自由民権運動家で、のちに衆議院議員を務めた大石正巳の関係文書である(マイクロフィルム)。書類、日誌、雑誌等からなる。大石正編『大石正巳日記』(1993年)がある。同図書室に目録がある。(MF67:8-1~8-3)
【外務省関係資料】は、主に昭和戦前期の対外宣伝に関する資料である(マイクロフィルム)。(MF67:9-1~9-12)
【加藤家文書】は、首相、外相等を務めた加藤高明の関係文書である(マイクロフィルム)。書簡、書類からなる。同図書室に目録がある。(MF67:9-6)
【何禮之文書】(何礼之文書)は、長崎の唐通事の家に生まれ、のちに英語を修め、元老院議官、貴族院勅選議員などを務めた何禮之の関係文書である(マイクロフィルム)。日記類、書類からなる。同図書室に目録がある。(MF67:6-1~6-12)
【菊川忠雄関係文書】は、労働運動家で衆議院議員も務めた菊川忠雄の関係文書である(マイクロフィルム、原資料は川村学園女子大学図書館所蔵)。労働運動関係資料。同図書室に目録がある。(MF68:1)
【小橋一太関係文書】は、内務省出身で、のちに衆議院議員、文相を務めた小橋一太の関係文書である(マイクロフィルム、原資料は国会図書館憲政資料室所蔵)。書類(選挙法関係、政治団体、地方制度改正問題、行政整理関係等)、書簡、日記からなる。このうち警保局が内部に配布した特高警察・出版警察関係資料が、日本近代史料研究会編・発行『大正後期警保局刊行社会運動史料』(日本近代史料叢書A-1、1968年)に復刻されている。同図書室に目録がある。(MF66:1-1~1-22)
【松本学関係文書】は、内務省出身で、のちに貴族院勅選議員、日本文化中央連盟常務理事などを務めた松本学の関係文書である(マイクロフィルム、原資料は国立国会図書館憲政資料室および関西学園関西高等学校所蔵)。書類、雑誌、パンフレットなどからなる。中国に対する文化工作関係の資料が含まれている。伊藤隆・広瀬順晧編『松本学日記』(近代日本史料選書11、山川出版社、1995年)がある。同図書室に目録がある。(MF68:9)
【橘孝三郎関係文書】は、農本主義者で、愛郷塾塾長の橘孝三郎の関係文書である(マイクロフィルム)。「感想録」等を含む。同図書室に目録がある。(MF68:5)
【愛郷塾関係文書】は、橘孝三郎(前出)が塾長を務めた愛郷塾の関係文書である(マイクロフィルム)。手記、雑誌等からなる。同図書室に目録がある。(MF68:7)
【山川端夫関係文書】は、国際法学者で法制局長官等も務めた山川端夫の関係文書である(マイクロフィルム)。書簡、手帳、草稿などからなる。同図書室に目録がある。(MF67:2-1~2-5)
【木戸幸一関係文書】は、文相、厚相、内相、内大臣等を務めた木戸幸一の関係文書である(マイクロフィルム、原資料は国立歴史民俗博物館所蔵)。同図書室に目録がある。(MF67:5-1~5-7)
【井上角五郎関係文書】は、1880年代に韓国で新聞を創刊し、のちに衆議院議員、実業家として活躍した井上角五郎の関係文書である(マイクロフィルム)。(MF66:3-1~3-6)